三月のごあいさつ
拝啓 日に日に春めいて花の便りを待ちわびる季節となりました。
皆様その後お変わりございませんか。平素は何かとご愛顧くださいまして
厚くお礼申し上げます。
三月は、第一日曜日に太宰府天満宮では「曲水の宴」という平安時代の
宮中行事を再現する祭事が行なわれます。
梅の花が美しく咲き誇る中、束帯と十二単に身を包んだ男女が
境内を流れる水の側に座り流れてくる盃が自分の前を
通り過ぎ過ぎない内に詩歌を作り盃を戴くというものです。
起源は、中国の「秦」代で、清らかな水の流れに盃を
流して汚れを祓う儀式で、菅原道真公も八百九十年三月三日
宮中での曲水の宴に参宴されたそうです。
これは身辺かな地方に根付いた文化の一つと思います。
只今、私たち日本人は政治経済に自信を失っています。
先月、作家の村上春樹さんのイスラエルの最高文学賞である
「エルサレム賞」での授賞式をニュースで見ました。
ガザ攻撃の直後だけに、授賞辞退を求める声が
あったにもかかわらず、ご本人は、毅然として自分の
意見を自分の言葉で述べられ、又その内容は・・・
壁と卵になぞらえて、自分はあえて弱い卵に味方すると言われました。
その時の勇気に誇りと感動を覚えました。
そこにも日本人としての武士道につながる心があるとしたら
これまた一つの文化ではないかと思いました。
このようなことを見ながら、時代と共に作り出した
よき文化、日本古来の美しい心をもっと大切にして行きたいと思います。
ご一緒に元気に歩いて参りましょう。よろしくお願い申し上げます。
敬 |