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２０１９年７月のご挨拶

拝啓　先月の山形県沖の地震では特に山形、新潟、秋田県にお住いの皆様には心よりお見舞い申し上げます。被害も各々で大変だったと思います。一刻も早く安心できる生活に戻られます様お祈りいたします。

常々自然災害が多い日本ですが、今年は北部九州は梅雨入りが遅れ福岡では水不足が心配されます雨に付き物の色鮮やかな紫陽花が思いなしか雨を待ち侘びているようにさえ見えます。

先月テレビの「ながさき紫陽花祭り」の紹介で紫陽花が「おたくさ」と呼ばれ親しまれているのを知りました。

調べると紫陽花の原産は日本に自生しているガクアジサイだそうです。漢字を「紫陽花」としたのは平安時代の中期の歌人・学者の源順（みなもとのしたごう）で中国の白楽天の詩の中の「紫陽花をその特徴からガクアジサイと同一と考えこの漢字をあてたそうです。

しかし、アジサイは日本原産のため白楽天の詩の花とは異なるそうです。最初に書物に登場したのは「万葉集」でその数はわずか二首、小さな花が集まって球状に見える手毬咲きの紫陽花の記録があるのは桃山時代からで加納永徳により初めて画壇に登場しました。

江戸時代になっても紫陽花の人気は今一つ。繁殖が容易なため植木屋には嫌がられいたとか。幕末には長崎出島のオランダ商館医であったドイツ人シーボルトはこの地で、おたきさんという女性と出会いイネ（楠本イネ・・日本女性で初めての産科医）という娘をもうけますが国外追放となります。

その後「日本植物誌」を刊行しその中で長崎の中国寺で採取した空色の紫陽花を「ハンドランゼアオタクサ」と名付けて紹介しました。「オタクサ」は「お滝さん」のことです。何れも興味深い歴史です。今では多彩な色で人気が高い紫陽花にはこのようなロマンチックな話があり、シーボルトの思いは成就したのだと思いました。

本格的な夏がやってまいりますので、皆様くれぐれもご自愛の程お祈り申し上げます。シンプロポリスミナスのご愛顧に厚くお礼申し上げます。　敬具

有限会社ノビア　　店主　河村伸一郎