サンパウロ便り: NO3 Out. 20.2006
去る10月12日(木)は「聖母アパレシーダの日」という宗教祭日でお休みでした。
ここはカトリック教国なのでこのような祭日が結構あります。
敬虔なカトリック信者は教会へ行って祈りをささげるのでしょうが、それはほんの少数で、殆どのブラジル人は木曜が祝日ならついでに金曜日もと勝手に休んで木金土日の4連休にしてしまいます。
学校では先生が率先して休むので子供たちも喜んで休むことになります。
子供たちが休みなら会社勤めのお父さんも休んでしまうのが予めわかっていますから会社も休みにして家族で楽しんでもらうことにします。
ブラジル政府もこのような日を「任意休日」として認めているのです。
おおらかというか懐の深さというか「大国の余裕」を感じますね。
寸暇を惜しんで働くのは日本人農家くらいです(最近では結構休むようになりました)。
もう水曜日の午後から長距離バスも飛行機も満員で海へ山へと向かう幹線道路は夜中まで渋滞が続きます(ブラジルはJRのような電車は発達していません)。
兎に角ブラジル人は遊ぶのが好きで上手で働きたがらない民族と言っても異議を申し立てる人はいないでしょう。
乗り物の中では隣に座った人たちには直ぐに声をかけ、老いも若きも白人も黒人もたちまちアミーゴ(友達)になります。
ラテン系の人はとても明るく楽天的で開放的で人なつっこく誰にでも話しかけてきます。乗り物の中の賑やかなこと、まるで修学旅行の列車の中のようです。
こんな情景や環境に慣れている私は日本へ行っても隣に座っている見知らぬ方に気軽に声をかけようとするのですが・・・無視されたり、じろっと睨まれたり、女性からは(そんな気はサラサラないのに)ヘンな眼で見られたり・・・何も悪いことはしていない筈なのに、とたんに気が滅入ってしまいます。
長い時間隣に座っている人と一言も口をきかないというのは私にはとても苦痛ですが、これが今の日本の習慣であり常識なら、悲しい事ながら従わなければならないのでしょうね。
安倍総理の提案している「美しい日本」造りは是非日本人の心の中も明るく美しいものにしてもらいたいと希望します。
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